日々のこと



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武満作品集


ショーロクラブの武満徹作品のアルバムレコーディングに参加しました。「死んだ男の残したものは」は被災地と原発問題の今の世相と響き合うものがあり、詩とメロディーの持つ意味を繰り返し何度も考え、当日に臨みました。もう一曲は「めぐり逢い」。いつもながら、音を合わせ始めるとたちまち音世界が完成していき、実り多きセッションに。当日、急遽追加することになった曲では、沢知恵さん、おおたか静流さんとも歌をご一緒し、静かな鎮魂歌となりました。みなさん自分を生き生きと生きている輝いている人たち。

行き帰り、省エネのため灯りを消した電車の窓から景色を眺めながら、今の自分に必要な心の栄養。Donny Hathaway「Someday We`ll All Be Free」、Cassandra Wilson「Little Warm Death」、Sam Coocke「Change is Gonna Come」、King Cole Trio「For All We Know」・・・・。いつにも増して心震わせられます。一日も早く、解き放たれますよう願いながら。

2011/04/01


春日井ライブ


愛知県春日井での野外屋上庭園ライブは強く思い出に残るものに。震災後初めてメンバーと音を合わせると、乾いたスポンジのように心に音が沁みわたるのを感じ、みなの眼が輝き出しました。お客さまも同じような気持ちだったのではないでしょうか。晴れてはいるものの強風の中とても寒く、決してよいコンディションではない中でも、みなが微笑んでいて、暖かい雰囲気に満ち満ちていました。言葉では表せないすばらしいものが会場中に溢れていたこと、きっと強い風とともにみなの記憶に刻まれたのではないでしょうか。

2011/03/26


今出来ることを


はじめに、大規模な地震に見舞われた皆様へお見舞い申し上げます。今回の被災地である東北地方は私にとって、毎年ライブを通して多くの友人と出会ったとても大切な思い出の地。この非常に厳しい状況を、東北の友人らといっしょに悩み、乗り越えられるよう毎日祈っています。今はまず自分にできること、目前のすべきことを落ち着いて淡々とこなしていくことが大切だと思っています。地震から週が明けた月曜の内科外来。世の混乱の様相の中、何とか心落ち着けて患者さんを診察するよう心がけました。被災地からは遠く離れてはいるけれども、ここ関東の病院でも患者さんたちはみな先行きの不安ゆえに心落ち着かぬ様子で、平常より血圧が高く、手のひらも冷たく汗ばんでいる方も見受けられ、今回の震災の影響範囲の大きさを感じています。少しでも眼の前の患者さんにご安心いただけるように、まずは私自身が落ち着いていることが大切なのだと実感しています。
まだまだ不安な状況が続きそうですが、心配な心中にあっても冷静さを失わなず、情報の氾濫にも翻弄されないよう心がけたいものです。

2011/03/19


レコーディングー三島ライブーBD


久しぶりにアルバムレコーディングの続きをしています。前回のレコーディングがすでに気づけば一年前!で、ずいぶんのんびりとお思いのことでしょう。しかし、実は録音の仕方は、現代の音楽産業に反して?ホールでの一発録りで直しの効かないやり方をとっているので、その場でかける時間は少ないのです。今回も二日間で集中して、心地よい緊張感の中で録音。素晴らしくクオリティーの高い演奏が録音できました。

三島の美術館ヴァンジでのキャンドルナイトライブは荒天のため残念ながらホールに変更になりましたが、それが素晴らしいホールで、しっかり演奏をお聴きいただくことができたのがよかったです。新録の曲も披露しました。聴衆の皆様の雰囲気も暖かく、かなり集中したよい演奏ができました。ライブの度にこれは本当に最高のライブだったなぁ、と毎回思うかなりポジティブな私です。翌日は文豪に思いを馳せながら三島の町を散策。富士の雪解け水に足を浸すと、キーンと痛いほどの冷たさ。しばし真夏の暑さを忘れました。

その数日後、8月17日は私の38回目の誕生日。子供二人の母ちゃんおめでとう、という言葉に目頭が熱くなるものが・・・・。これが何より最高の贈り物です。三島のライブの時にとてもうれしいプレゼントをいただきました。日本酒のラベルにおめでとうのメッセージが(カメラが見当たらず写真が無いのが残念・・・)。最近ワインを中心にお酒がとてもおいしく、よく嗜んでいます。何とも気の利いた贈り物たち!ありがとうございました!

2010/08/24


お友達の歌手たち


6月のある昼下がり、お子さんを身に宿している歌手のNUUさんを訪れました。NUUさんも私のお腹が大きい時に会いに来てくださり、今度は私がお伺いする番だ、と行って参りました。7月の予定日を控えお腹がはちきれんばかりに大きくなっている姿はとても美しく輝いていました。お話していると、自然に心身の力みが取れ、ゆったり落ち着いたとてもよい時間を過ごせました。子供を産んで育てながら、きっと人間的にも、歌手としてもさらに磨きがかかっていくのでしょうね。

別日、某所にて。音楽を食べて生きている伝説のマスターがやってくるとのことで、待ち合わせ場所に出かけると、歌手の松田美緒さんもいらしていました。お話するのは初めてでしたが、昔からの仲良しのようにすぐに打ち解け盛り上がりました。近い将来何かでご一緒する機会が訪れそうな予感?

2010/08/02


6月のライブ


6月は、福島盲学校→那須ライブ→福島For座restとたくさん演奏の機会をいただきました。盲学校ライブは初めてで、同伴した演奏者や子供ら共々とてもすばらしい経験になりました。生徒さんたちの音楽に対する率直で敏感な反応を見ていると、私たちは普段視覚に頼るあまりに、他の聴く、嗅ぐ、触れる、そして感じるという感覚を大切にしきれていないのではないか、と考えさせられました。目が見えないということを障害というよりは一つの個性として共存し、お互いに得意、不得意領域を補い合うように暮らせたらいいんだね、とみなで話していました。

同日夜は那須のアジア食堂籠でのライブでした。とても素敵な香内さんご夫婦のお店で、何を食べても本当においしかったです。ライブはリラックスした雰囲気の中、とっても盛り上がりました。ライブ後はご夫妻とともに、ゆったりと至福の一夜を過ごしました。

そして毎年恒例のFot座rest。毎年来場者数が鰻登りで、年々注目度アップしているフェスですが、いつも欠かさず呼んでいただき本当に参加するが楽しみな素敵なイベントです。毎年の出演者も錚々たるメンバーで、かつユニークな組み合わせ。敬愛する吉田美奈子さんや八代亜紀さんはじめ他の参加ミュージシャンにも身近に接することができ、同じ空間を共有できて、皆さんの音楽に対する姿勢に大いに刺激を受けました。終わった今、また来年に向け少しずつ研鑽を積んでいこうという気持ちを新たにしています!

2010/08/02


帰省


連休には二つの実家に帰省しました。犬のおっちゃんは顔を見るなり大喜びでしっぽ振り振りの大歓迎ぶり。日本の里山の原風景の残る夫の実家の周りをみなで散歩しながら、子供と道端にしゃがみ込み、毛虫や、蜘蛛の巣、ありの巣を観察したり、人工音の一切無い静けさや自然の音を味わったりして、何でもないようでいてとても貴重な時間を過ごしました。春の光はきらきらとして、景色がさらにきれいに目に映ります。寒くも暑くもない気候に、冬の間こわばっていた体の力もふーっと抜けていく。よい季節ですね。日も長くなってきたので、我が家では昼な夕なお弁当箱に食事を詰めて、ピクニックすることが多くなりました。夕方、陽が沈みゆっくり移り変わる空のグラデーションの中で、お山の輪郭が黒く濃くなるまでおもいっきり体を動かし遊んでからうちに帰ります。

2010/05/05


京都ライブ


初夏の休日、京都円山公園はお天気に恵まれ、大勢の方にお越しいただきました。水瓶さん主催のこのライブも去年に続き2回目で、恒例の京都春のイベントとなっています。公園の木々の新緑に囲まれ歌っていると、音に反応して色々な野鳥の声がサラウンド。野鳥観測にはまっているピアノの小林さんはピアノの前で耳を澄ませて、うっかり弾き忘れそうに。今まで永く歌い続けている曲も、場所、季節や気候、昼夜の別、また聞いている人々の雰囲気、表情によって七変化し、一つとして同じ音楽にはならないのが面白いところです。だから、歌っている私自身が目の前で新たに生まれてくる音楽に改めて感動して、よく涙してしまうのです。うたうことは真っ白な画用紙に、絵を描くようなものだとよく思います。ただ上手にだけ書くのではなく、できるだけ子供のように先入観を持たず、自由な心で色を乗せるように演奏に声を重ねることで、一つの作品に仕上がっていきます。今回は木々のさざめきと、鳥の声、木漏れ日が所々に散りばめられて、春の音が出来上がりました。

2010/05/01


おいしい音楽


笹子さんのソロアルバムのレコーディングに参加しました。愉快軽快な笹子重治さん作曲のメロディーに、面白く、おいしく?歌詞を書きました。スタジオがキッチンに早変わり、コトコトお鍋の音、まな板のトントン、フライパンのジュージューがどこからともなく聞こえてきて、一品のお料理のような音楽がほっかほっかと出来上がりました。演奏していると、みなのお腹が減ってきました。目からうろこでほっぺも落ちる曲です。夏頃発売予定とのこと、乞うご期待!

2010/04/28


尾道ライブ


雪の降る関東を去り、少し暖かな雨の降る尾道に向かいました。駅で出迎えてくださったライブ主催の信恵さんの味わい深い表情を拝見しすぐさま、毎回企画されるこだわりのライブが大変好評で、彼を愛してやまないミュージシャンもまた数多い理由が理解できるようでした。駅では丸くなった猫も旅人を出迎えており、尾道を象徴するようでした。信恵さんのCD店は昭和の香り漂う味のある空間で、こだわりのCDだけがセレクションされており、この中に選ばれるのはかなり光栄なことだなと思いました。ライブは蘭の花の咲き乱れる会場で行われ、少し中心から離れた場所にあるにも関わらず、たくさんの方にお越しいただき、大盛況となりました。寒暖の差の大きいこの頃、実は万全の体調管理で臨んだものの風邪で少し咳が出る状態でしたが、逆境があるほど燃え、演奏のクオリティーはかなり高かったのではないでしょうか。終わった後は演奏者全員、お客様も楽しさのあまりみな顔に笑みが浮かんでおり、本当に幸せな一夜となりました。会場に、かつてよく訪れた伝説のブラジル音楽バーのマスターの姿があり、久しぶりに再会したことが嬉しい驚きでした。涙ながらに「自分は音を食べて生きている。いつもいい音を探して生きているんだ」という言葉が心に残りました。

2010/04/19



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